我が家に火鉢が出た。連れ合いが、「結婚した年には、あったような気がする」と言っている。そうすると、24年ぶりかもしれない。
倉庫に長い間眠っていたものを運んだ。埃を払っただけで、そのまま居間に運び込んだ。母に言わせると「昔は藁の灰を使っていた。長い間経った灰は温うにならん」らしい。今すぐ手許に藁はない。気にせずに、炭を入れた。火鉢の炭に手をかざす。優しい暖かさがある。そして、炭の赤い色もいい。

五徳も火箸も揃っていた。後は鉄瓶が要るかな。さあ、この冬に何度火鉢に火を入れることになるのだろう。当然、ストーブやホットカーペットなどが主流であることには変わりはない。休日や年始のゆとりのある時だけでも火鉢を使って、少し豊かな気持ちになったらそれで大満足。