平成になった時に「引き算だけでは自分の齢が計算できんようになった」と言うお袋に「西暦で覚えとったら引き算ができらい」と言うと「四桁も覚えるんは難しい」と。上二桁はみんな一緒やがと思ったが、それ以上は反論しなかった。
私は西暦愛用だから、あまり興味がない。ただ令和の令の字が困ったなと私は思っている。
小学生が文字を学ぶ場合、教科書の字体で学ぶ。多分、ワードで出て来る「教科書体」というのがそれに近いものだと思っている。で、世間でよく使われているのはゴシック体とか明朝体といった活字。
ところがその両者が微妙に違う字があるのだ。
「しんにょう」もかなり違う。
「北」は左側の形が大きく違う。その違いが大きい文字の一つが「令」なのだ。最終画が縦に真っ直ぐ降りるのが明朝体。教科書体では斜めに降ろして止める。最後は片仮名の「マ」のような感じ。
小学校できちんと学んだ子は教科書体を真似て書いているはず。畑の帰りに中学生を呼び止めて聞いてみた。見事に教科書体の文字を書いた。ところが今日政府が発表した令の字は明朝体のように最終画が縦一本。毛筆でそのような字体があるのかどうかは私には分からない。専門家がいるのだから間違いではないだろう。
ただ、学校でずっと学んできた教科書体が、今後急に変わることだけは無いようにしてもらいたいと思っている。何だか心配。杞憂で終わることを期待している。
ま、文字なんてのは誰かが決めた記号の一つであることは確かなんだけれど。