私が忘れ物をよくするのは皆さんご存知だと思う。携帯、カメラ、挙句に列車から降りるのを忘れて乗り過ごす。
市役所の支所の前にあるATMに入って、通帳に記帳した。その後、カードでお金を下ろした。そして、支所の知人と少し話をして帰った。途中で、通帳がない事に気付いた。
急いで引き返す。誰かが入っている。「済みません」と声をかけて、「通帳の忘れ物はありませんでしたか」。
「ないよ」。
「そうですか」。
そこへ車がやって来た。窓が開いて「通帳じゃないか。拾ったのでJAへ届けとった。○○さんじゃろ」。
「そうです。ありがとうございます」。
「JAの窓口の□□さんに渡しとったけん。取りに行きさいや」。
「ありがとうございます。△△さんですね」。
すぐにJAへ行った。名前と用件を告げると、免許証で名前を確認してすぐに渡してもらった。
有難い。本当に有難い。△△さんは以前重要な公職についていた方。それで顔を拝見して名前が分かった。
住所を調べてとりあえず礼状を書いて、投函した。
一カ月分の僅かな給料が入っていた。印鑑がないと下ろすことはできないものだが。お礼はどうしたものだろう。